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4月は一糸たりとも脱ぐな

  • 執筆者の写真: Hitomi
    Hitomi
  • 4月10日
  • 読了時間: 3分

更新日:4月11日

日本からのお客様や友達に聞かれて一番困ること。それは・・・どんな服装で行けばいいですか? という質問だ。


基本北国で冬が長いフランスだが、こちらの天気は本当に読めない。その年や季節にもよるが、3月でも夏みたいな陽気になったり、6月、7月でもウールのコートが必要だったりする。特にこの季節、冬の分厚い雲が祓われ、どんより灰色から明るく眩しい光に包まれていくパリの天気は、くるくると変わりやすい。安易なアドバイスはできない。


それにしても、今年はずいぶん春が早くきた印象だ。裸の街路樹に若芽が吹き出すのは例年なら4月初めだが、3月のうちに一斉に緑が芽吹き、あちこち咲いていた桜ももうすっかり散ってしまった。この2日で急に暖かくなり、今日の午後は南では29℃になるという。パリの街ゆく人の服装も春爛漫を通り越し、もう初夏の装いだ。


が、しかし、油断は禁物。なぜなら・・・


En avril ne te découvre pas d’un fils

アン アヴリル ヌ トゥ デクーヴル パ ダン フィル

「4月は一糸たりとも脱ぐな」


これは、まだパリに来て数回目の4月、衣替えして薄着の私に当時の隣人のお爺さんが教えてくれた諺。つまり、「4月は陽気が春らしくなってもそれまでの冬服を脱いではいけない」という意味で、「だからあんた、そんな格好だと風邪を引くぞ。油断しちゃいけないよ、まだ4月なんだから」と忠告されたのだ。誰の言葉か不明だが、この言葉はフランスの諺として1611年に初めて本に載ったという。不安定な季節に体調を崩さないよう、戒めとして、とりわけ農作業に出る人たちの間で語られていたようだ。


たしかにあの年も天候はめちゃくちゃで、その翌日くらいに大きな雹がバラバラ降った。4月なのに、雹!とびっくり仰天し、寒がりなくせに4月になったんだからと、じつは無理をして春の装いをしていた私は、もうそんな季節感はかなぐり捨て、一気に厚手のセーター&ダウンに逆戻り。そのあとは、いつ冬服をしまえばいいの!と焦ったくなるような日々が延々続いたっけ・・・。


そんな4月初旬、太陽が照り出すといきなり暑くなって日中、陽の当たる外はジリジリ熱く、すっかり初夏の陽気で、朝着てきた真冬のコートやダウンが邪魔でしょうがなくなる。次の日はもっと身軽に出かけようと薄着をすると、そこで失敗する。大陸性気候は寒暖差が激しいのだ。そして、乾燥しているから日向と日陰の体感温度が全然違い、太陽が翳ると寒い。上空の寒波や熱波のせいで1日に一気に20℃も違う日さえある!


TF1天気予報、4月10日午前の気温
TF1天気予報、4月10日午前の気温

明日は何を着て行こうか?現地在住30年近い私も、服装は毎回迷って、朝ギリギリにしか決められない。が、周りのフランス人を見ていると、概して若者たちはもうTシャツやノースリーブなど夏服、中年以降の男性たちは冬服の中に薄手のシャツとかにしているようだ。女性たちは春らしい色を着始めるが、大判のストールやスカーフ、厚手の上着を欠かさない。この頃はあまり見なくなったが、たまに毛皮のコートを着ている年配マダムもいたりする。みんな、夜、寒くなることを知っているから油断しないのだ。


TF1天気予報、4月10日午後の気温
TF1天気予報、4月10日午後の気温

そんなわけで、日本から来る人に質問されたらこんなふうに答えている:直前まで天気予報をよく見て衣服計画、寒暖差を考慮し着脱ぎのできる服装で寒い時のために首元にはスカーフ、晴れた時のためにサングラスは必須


天気予報によると、この陽気は長くは続かず、日曜日から気温は下がり、山には雪が降るそうだ。やっぱり、4月は一糸たりとも・・・

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