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5月1日はスズランの日、労働者の日

  • 執筆者の写真: Hitomi
    Hitomi
  • 5月1日
  • 読了時間: 5分

更新日:5月3日

前回の「4月は一糸たりとも脱ぐな」には下の句があって、その後に「5月は君の好きにすればいい!」と続く。


5月になったら気候が安定するから、どんな格好でもいい、心置きなく薄着ができる、というわけだ(昨今の天候不良ではそうとも言えないが)。


マレ地区サンポール駅前
マレ地区サンポール駅前

そんな美しい季節の幕開けとなる5月1日は、スズラン(Muguet)の日

・5月1日のみ

・野生のスズランであること

・売る場所は、花屋から40m以上離れ、歩行者や車両の通行を妨げないこと

このルールを守れば、誰でも公にスズランの販売ができるから、お庭に生えたスズランの小さな花束を売る子供やお婆さんを街角でよく見かける日だ。


2025年は32,000人が参加 ©CNEWS
2025年は32,000人が参加 ©CNEWS

もちろん5月1日は「労働者の日」、いわゆるメーデーである。


1941年ドイツ占領下で「祝日」とされ、1947年から唯一有給の歴史的な祝日となった。労働者を守るための唯一有給の歴史的な祝日。この日は、労働者の集会が決起され、集団で街中を練り歩くのが慣わしだ。まあ、お祭りみたいなデモ行進なので騒々しいだけで平和と言えば平和だ。だが、デモの群衆に便乗し何かが起きないとも限らないため、機動隊が動員されて、予定されたデモコースはテープで封鎖、路面通行は制限される。デモ隊が通り過ぎ、解散するまで武装した警察がその動向を見守るのだ。今年のコースはパリ東方面のレピュブリック広場から東方面~ナシオン広場までと発表された


この騒ぎを見てみたい、あるいは参加したいなら別だが、この界隈は避けたほうがいいだろう。


さて、5月はただでさえ祝日の多い月だ。それが今年は、1日金曜メーデー(1er mai)、8日金曜戦勝記念日(La Victoire 1945)、14日木曜昇天祭(l’Ascension)、25日月曜聖霊降臨祭(Pentecôte)と、月、金の祝日が続く。もともと土日は休み、月曜も休みのところが多いから、1~4日、8~11日、14日、16~18日(人によってはついでに15日も休みにしてしまう!)、23~25日、なんと月の半分が休日だ!


スズランは幸福の象徴©Nathali Bourrieau
スズランは幸福の象徴©Nathali Bourrieau

郵便局もこの頃はこれに倣って休みが多い。うちの銀行もふだんは土曜は午前のみで月曜休みだが、金曜が祝日だと土曜の午前も休みになる。それでなくてもこの国では、年が明けてすぐ2月に冬休み2週間、復活祭休み2週間、夏休み1ヶ月、秋の祝日、クリスマス休暇2週間。もちろん、これは学校が休みというだけで、オフィスは開いているが、子供のいる公務員や従業員はその時期は休む傾向にある・・・それプラス5月にこんなに休んでいたら、いったいいつ仕事をするんだ!と、純粋に疑問に思わないではいられない。


野生のスズランを売る©Emma Buoncrstiani
野生のスズランを売る©Emma Buoncrstiani

話をメーデーに戻そう。


労働者の日」に仕事をすれば、従業員1人につき1500€の罰金が課されることが法律で定められている。ただし、「業務の性質上、中断できない事業所及びサービス業」については、従業員に2倍の賃金を支払う条件で例外が認められている。たとえば、病院、ホテル、レストランなど。ふだん日曜日も開店許可を得ているところは5月1日も営業していい、ことになっているが、少し曖昧な部分もある。


そんな中、昨年、この日を巡ってちょっとした騒ぎが起こった。

パリ、ヴァンデ、シャラントの各地方で営業していた複数のパン職人が、抜き打ち検査された結果、罰金が課せられたのだ。実は1986年からパン屋(Boulangerie)と菓子屋(Patisserie)は営業が許可されてきた、はずだったのに、この容認は「時代遅れ」と裁判所が判断したからだ。


え、どっちが時代遅れ?と首を傾げるところだが、これより業界では怒りが収まらず、激しい緊張状態が続いていた。今年4月17日にやっと、この業界での営業許可が明示された。書面での同意書と通常の2倍の賃金支給という条件つきで。働きづめの過酷な労働環境ならいざ知らず、こんなに労働者が守られている現代、サラリー2倍なら祝日でも働きたい人はいくらでもいそうなものだが、フランス人じゃないから、そこら辺はわからない。



ということで、5月1日の営業状況をチェックしてみると・・・

パン屋菓子屋:上記条件付きで営業可。

花屋&ガーデンセンター:昨年は5月1日だけでスズランの売り上げが1,990万€(35億8,000万円!)に達し、バレンタインデー、母の日に次いで収益の多い日となった。故に営業可。

コンビニ:地元の小規模食料品店は、店長が単独で運営し、従業員を雇用しないなら営業可。

・24時間無休サービス:病院葬儀場緊急修理サービス警備サービスなどは従業員を雇用しても営業可。

薬局:地域に一軒のみ営業可(場所は全国共通電話番号3237か、Doctolibサイトで確認)。

公園と庭園:ほとんどが開園可。

映画館と美術館:映画館は全て営業、美術館はパリではグレヴァン美術館、ジャックマールアンドレ美術館、モンマルトル美術館、マイヨール美術館が開館。

大型スーパーマーケット:セルフレジシステムがある店舗は開いている可能性もあるが、ほとんど休業。

精肉店と鮮魚店:一部デリカテッセンや魚屋は職業的労働協約では営業可なのだが、パン屋や菓子屋と違って例外措置が認められていないため、グレーゾーン。経営者本人、または無給の家族のみなら営業可。

レストランとファーストフード店:2016年にメーデーの休業免除になる、とされたが法律改正にまで至らなかったため、従業員を雇用するなら原則、罰金対象。フランスホテル・レストラン協会が「特定の賃金条件を遵守した上で今年から従業員の雇用を明確に認めてほしい」と要請したため、協会加盟店はおそらく営業。

食料品市場(マルシェ):マルシェは普段から特定の市日のみの営業なので、もともと金曜開催のところは営業。


もちろん、すべての行政サービス学校レジャーセンター私立図書館スポーツ施設は完全閉鎖、ショッピングセンターなどの店舗はすべて閉鎖。


公共交通機関は運行許可があるものの、リヨン、リール、ナント、ボルドー、トゥールーズ、レンヌ、ストラスブール、マルセイユ、ニースなどフランス各都市では軒並み運行休止。パリのみ、3番線を除いてほぼ通常運行。


誰もがスズラン を手に©Rémy Gabalda
誰もがスズラン を手に©Rémy Gabalda

この日は金曜日のマルシェを見て回ったら、公園やセーヌ河畔を散策したり、教会を内覧したり、モンマルトルの丘で遊んだり。そんな1日になりそうだ。


街角でスズラン売りをみたら、春の幸運の一株買うことも忘れずに。

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